【2024年の見どころ】
制作者は、例年と同じく吉町勇樹氏である。題材は、経済情勢や災害を克服し平和を願う思いが含まれていることが多く、世の中の情勢を汲み取った上で吉町氏とサンロードの代表者である櫛引氏の話し合いで決定される。
今年の題材は、『海の神霊「安曇磯良」』である。本題材は神功皇后が三韓征伐に際し、天神地祇を常陸の鹿島に招き軍評定を行おうとしたが、磯良は自分の姿が醜いことを恥じらい現れなかった。そこで住吉の神らが海中に舞台を構え、磯良の好む舞を奏し誘い出すと、龍神に乗り磯良が現れたという伝説が元になっている。吉町勇樹氏は、このねぶたに「海の回復と漁業繁栄・航海安全」を願い、制作に取り組んでいる。
送りには「竜宮城」が配置され、その周りに亀や魚が泳いでいる。ねぶたの見どころは辰年にちなみ配置された龍と右側・中央・左側にバランス良く配置された磯良と二体の神々である。
【歴史について】
サンロード青森は、地元の人々に開業を知ってもらおうという目的で出陣することを決めた団体である。開業準備に追われるなか、ショッピングセンターの呼称の周知も兼ね、ねぶた祭りに参加することが良いのではと地元の出店者からの話もあり、制作が進められた。コロナ禍を除き、今年で44回目の出陣となる。
【運行団体の特徴】
出陣日は、8月3、4、5、6、7日である。サンロード青森は今年で45周年を迎える。囃子団体は、「サンロード青森ねぶた囃子会」である。囃子方は約110人所属しており、全体練習は荒川小学校の体育館やワラッセを借りて、パート毎の練習はサンロードの会議室で行っている。また、入会したものはみんな笛から指導し、メロディーを覚えた人から希望の楽器へ移行するため、全員が笛を吹くことができるのが特徴である。また、サンロードといえば出発前の「出陣太鼓」や「七日囃子」がある。これらはサンロード青森囃子会のオリジナルである。サンロード青森は、プロの演奏家である鳴海昭仁氏が指導者として携わっており、サンロード青森のねぶた囃子を盛り上げている。
サンロード青森の運行は、出店者の店長からなる店長会を中心にテナント及び主協賛先の方々に参加してもらうなどして人数を調節している。曳き手は総勢16名おり、すべてアルバイトを募集して集まった高校生らで構成されている。また、協賛関係者の跳人に対してのみ花笠の着用を呼び掛けている。
サンロード青森は、惜しくも受賞を逃してしまった場合、8月8、9日にねぶた小屋にて解体が行われている。受賞した場合は一年間ワ・ラッセに保管された後、面を取り外しサンロード館内に保管している。ねぶた台車や太鼓台車等は、サンロード青森の立体駐車場1階に保管されている。
【サンロード青森の協賛企業】
協賛による前ねぶたの出陣は、富士通Japan(株)、Woltの二台が出陣予定である。
協賛は、日本郵政グループ、富士通Japan(株)、日専連、イオン青森店 等である。
文責:伊藤源大
写真:2024年 サンロード青森 『海の神霊「安曇野磯良」』 制作者:吉町勇樹