【2024年の見どころ】
制作者は、例年と同じく北村麻子氏であり、「女性らしいねぶた」にこだわっており華やかで色鮮やかなねぶたが印象的である。題材に関してあおもり市民ねぶた実行委員会からの指定は特になく、北村麻子氏が提案している。
今年の題材は「鬼子母神」である。鬼子母神は自分の子供を育てるために人間の子供をさらって食べようとしていた。このことを恐れ苦しんだ人間に相談されたお釈迦様は鬼子母神の最愛の子供を隠すことによって「命の大切さ」「子供を思う気持ちが人間も鬼神も変わらない」ことを説いたという物語である。北村麻子氏はこのねぶたに「子供たちが戦争という醜い争いから一日も早く解き放たれ、安心で平和な日常を取り戻す」ことを願い、制作に取り組んでいる。送りには、美人な姿の「鬼子母神」や元気な子供たち、華やかな配色がなされた花が配置されている。
ねぶたの見どころは、右側に配置されたお釈迦様から発せられる後光とその周りを囲む波の表現・色使いである。
【歴史について】
あおもり市民ねぶた実行委員会は企業団体ではなく、様々な仕事をしているねぶた好きな人 が集まってできた市民団体である。2002 年からねぶたの運行を開始した。そのきっかけは 地元の景気が低迷したことだという。それによりねぶたの台数が減り、運行を休止している団体もいくつかあったため、新たに団体を立ち上げてねぶたを出し、祭りを盛り上げていくことになった。
【運行団体の特徴】
出陣日は8月2、3、4、5、6、7日である。あおもり市民ねぶた実行委員会は今年で出陣21年目を迎える。ねぶた・運行・囃子の三位一体の運行に加え、スポンサーの方々が制作・運行に参加してもらえるように声掛けなどを行っている。「楽しもう」をモットーとして掲げ、賞は後からついてくるものだと考えている。
囃子団体は「あおもり市民ねぶた囃子隊」である。囃子方の在籍数は170~180人であり、ねぶた好きが集まり結成された。祭り本番に使用する笛用の音響マイク前には演奏が上手い人以外の人も立たせ、全員が技術向上できるように努めている。
大型ねぶたの曳き手は、バイトで雇われた市内の高校生を含む18人から20人で運行している。跳人に関しては花笠を被ることが推進されており、運行がきれいに見えるような工夫をしている。
ねぶた台車の組み立てや台上げといったねぶたに関わる準備は市民ねぶたの会員を集い、行われている。今年、あおもり市民ねぶた実行委員会は惜しくも受賞を逃した場合は解体せず、ねぶた本体を売却する予定である。例年では8月8日にねぶた小屋にてねぶたの解体作業が行われる。太鼓台車、ねぶた台車等は問屋町倉庫に保管されている。
【あおもり市民ねぶた実行委員会の協賛企業】
協賛による前ねぶたの出陣は、ダイドードリンコ株式会社、株式会社ロッテ、クラブツーリズム株式会社、株式会社星野リゾート、麦焼酎いいちこの五台である。また、「麦焼酎いいちこ」は今年新たに出陣する前ねぶたである。
協賛はダイドードリンコ株式会社、クラブツーリズム株式会社、株式会社星野リゾート、株式会社ロッテ、オリックス株式会社、三和酒類株式会社、青い森信用金庫、野村證券株式会社、青森新都市病院、株式会社ヤマイシ、株式会社東洋社、株式会社たか久、ヤマダイ株式会社、ロイヤル化粧品株式会社、株式会社あおもり北彩館、株式会社富士清ほりうちである。
文責:伊藤源大
写真: 2024年 あおもり市民ねぶた実行委員会『鬼神母神』 制作者:北村麻子