【2024年の見所】
ねぶた愛好会の今年の題材は、『大海の守護神 天妃様』である。青森港開港40周年であるため海の題材に決めた。そして今年は辰年ということで、龍も描かれている。2体の鬼の背後に描かれている天妃様(媽祖)は中国で生まれ、非常に賢明な人物であった。悪者とされていた順風耳と千里眼という鬼を懲らしめて従えていたという。現在では海の安全を守る神様として信仰されている。送りは神様の使いとされている虎爺(フーイエ)という三匹の虎がモチーフとなっており、さまざまな分野での守り神として信仰されている。天妃様(媽祖)とともに人々から崇拝を受けている存在であり、台湾一歴史の長い虎神社といわれている朴子配天宮に祀られている。
青森港40周年を祝うとともに、海の安全を願っている。また観客に寄り添った運行をすることが目標だそうで、観客の気持ちになって運行を目指す。
【団体の特徴】
ねぶた愛好会はねぶた好きの有志が集まってできた団体であり、今年で連続出陣44回目となる。ねぶたの制作は25回にわたって石谷進氏に依頼していて、現在の制作者は諏訪慎氏である。
ねぶた愛好会の今年の出陣日は、2、3、5、6、7日の5日間である。ねぶた愛好会の特徴は、会員のみなさんで制作から当日の囃子まで自分たちで行なっている点である。制作に関わっているのは10人弱だそう。囃子は総計100人ほどで、制作に関わっている人も囃子方として参加している。曳き手は、専属の方やアルバイトを合わせて13人で、ほぼ前だけに配置している。扇子持ちは3人で、一人は40代の若い方である。
【協賛、前ねぶた】
メインスポンサーは置かず、みなさんがメインスポンサーとなって運行している。みんなからの協賛だから、という理由でメインスポンサーは置かない方針である。手拭いやTシャツ、提灯などを制作、販売するなどして資金を調達している。前ねぶたは毎年、その年に話題になったものや人物を題材とした金魚ねぶたを制作している。今年の前ねぶたは、オリンピックに関連した金魚ねぶたが制作された。
文責:松田優唯
写真:2024年 ねぶた愛好会『大海の守護神 天妃様』 制作者:諏訪慎