公益社団法人 青森青年会議所

~師匠の思い出と共に!いざ!出陣!~

 【2023年の見どころ】

  今年の題材は立田龍宝氏の「国性爺合戦 和藤内・甘輝の復興」である。青森青年会議所においては、立田氏デビュー10作品目であり、ねぶた師を目指すきっかけとなった師匠である内山龍星氏の思い出の題材だという。この題材は、中国人の父と日本人の母を持つ和藤内と、かつての明の将軍甘輝が、共に戦い明国の復興を遂げたものであり、コロナ禍からの復興の今、市民が手を取り合い私たちの故郷を発展させていこうという想いが込められている。

 

 青森青年会議所では、市民のためのまちづくり、市民のための人づくりに力を入れて協働するまちへの発展を目標にしているため、初めてねぶた祭りに参加するきっかけにもなり得るだろう。

 

【運行団体の歴史】

 青森青年会議所は、創立15周年の記念事業として昭和41年に運行を開始した。今年で54回目の出陣となる。青森青年会議所はまちづくり団体であり、主に地域に対しての運動ということに力を入れて活動している。そのため、地域の伝統文化の継承を目的として祭りに参加している。青森青年会議所の活動の中で、ねぶた出陣事業は地域に対してまちづくり、ひとづくりの一番有効な手法であると考えられており、地域活動の一部となっている。ねぶた祭を通して、青森を愛し、市民としての誇りを持つ人財を増やしていくことが明るい豊かな社会の実現に向け、大切な部分であると考えている。

 

【運行について】

 青森青年会議所では、過去に跳人として多くの人に参加してもらい、跳人やねぶた祭の楽しさを知ってもらうため、「跳トモプロジェクト」というものが行われた。また、各家庭にあるが使用されていない衣装をリユースする「衣装再生プロジェクト」も行われた。また、大型ねぶたのNFTアート販売などねぶたに関する多くの活動を行ってきた。今年は4年ぶりのフルスペックのねぶた祭が戻ってくるため、まずは、例年通りの運行を取り戻すことを第一にしている。これらの活動から、ねぶたに関わる新たな取り組みの模索や、SDGsにも貢献しているといえる。また、囃子方であるJCはやし隊には、青森青年会議所所属メンバーやOBなども在籍し、運行団体と囃子方との距離が近いことも魅力の1つだろう。

 

文責:西川花菜

 

写真:2023年 『国姓爺合戦 和藤内・甘輝の復興』 制作者:立田龍宝