【2024年の見どころ】
今年の大型ねぶたは北村蓮明氏の『河津三郎祐泰「河津掛け」』であり、相撲の一手が題材となっている。2024年は青森県出身の力士「尊富士」が幕内優勝を果たし、相撲の話題がホットだった。また、年初めから能登半島地震が起こり不穏な幕開けとなったが、相撲の四股で地中の邪気を払い、大地を鎮めようという願いも込められている。ねぶたは、平安時代末期、河津三郎祐泰が俣野五郎景久を相撲で投げ飛ばす場面であり、力強さや不屈の精神が感じられる。
【歴史】
日立連合ねぶた委員会は1965年に始まり、2015年に50年賞を受賞し長い歴史を持つ団体である。受賞歴が特に多く、2017年には14年連続での海上運行という偉業を成し遂げた。また、日立の囃子方である「凱立会」も囃子賞を過去に14回受賞し、今年は20周年という記念の年となっている。
【運行団体】
日立連合ねぶた委員会の出陣日は、2,4,5,6,7日の5日間である。お囃子・運行・制作・諸々含めて一体感がある団体である。それぞれのチームの立場に関わらず、互いに分担・補完・協力し合いながら一致団結して準備を進めてきた。また、お囃子は絶対的な実力をもっており、演出の手法は一緒でも出せる迫力が他団体には負けない。コロナ禍では、感染症の流行にも負けず、「凱立会」はWebなどで様々な活動を行ってきた。ねぶた期間以外でも様々なイベントに数多く参加している団体だ。一番の特徴は、囃子の音響も照明もねぶた本体の動力も発電機ではなく全てバッテリーで動かしているというところである。扇立会というベテランの扇子持ちによる上品な運行と北村蓮明氏らしい“ねぶた”をどうぞご覧あれ。
【協賛・前ねぶた】
メインスポンサーは日立グループ各社となっており、協賛企業はその他多数ある。前ねぶたは、昨年に引き続きアイペットのイメージキャラクターである犬の「トッペイ」くんがリニューアルされて登場する。制作は蓮明氏が手掛けるそうだ。また今年から日立のロゴが入ったパネルも前ねぶたとして登場する予定となっている。
文責:中野 ありす
写真:2024年 日立連合ねぶた委員会『河津三郎祐泰「河津掛け」』 制作者:北村蓮明