【2024年の見どころ】
題材は『木鹿大王 妖術を使う』。制作者は大白我鴻氏である。この題材には「木鹿大王は八納洞を支配し、3万の兵を従え、象に乗り妖術を使う。かつての敵である孟獲と結託し、蜀軍討伐に向かい、猛獣や毒蛇を操る南蛮軍に恐れをなした趙雲と魏延は陣を引いた。」という歴史がある。
題材には昨年度の候補のひとつであったものが採用された。特徴は二体ものであることに加えて、象、鳥、虎、蛇といった動物が多く登場することである。送りには馬も登場する。ぜひこの数多く登場する動物に注目してほしい。
団体としての目標は事故なく安全第一で無事に祭りを終えること。夜の運行ではALSOCさんに警備をお願いしているほか、県庁職員も配置し、万全な警備体制をとる。熱中症対策として水分補給用のリアカーも毎年出しており、安全第一の運行を心がけている。
【歴史】
青森ねぶたミュージアムによれば「県庁ねぶた実行委員会は今までに「県庁」「青森県庁」「青森県庁実行委員会」「青森県庁ねぶた実行委員会」という団体名でも出陣したことがある」という。初出陣は昭和36年であり、当時の制作者は2代名人である北川啓三氏だった。
昨年2023年に記念すべき60回目の出陣となり、今年2024年は61回目の出陣となる。
【運行について】
運行は、県庁職員と月駿会、アルバイトのスタッフが毎日100人程度で行う。今年は2、3、5、6、7日に運行予定である。曳き手は24人程度必要となるが、アルバイトのスタッフに加えて、県庁職員と月駿会の固定メンバーがそれぞれ10人程度ずつ協力して行う。月駿会は、県庁内の自発的な組織であり、扇子持ちを育てる団体である。技術の継承のために、過去にねぶたを担当していた職員、人事課で扇子持ちの経験がある職員が立ち上げた組織である。囃子は「県庁ねぶた実行委員会囃子方」が行っており、200人ほどが所属している。祭当日は毎日50人程度が演奏している。跳人は職員の家族、およびその関係者が多く自由参加である。子供も参加しやすくなっているため、ぜひ多くの人に参加してほしい。
【協賛、前ねぶたについて】
協賛企業はない。県庁生協や後助会などからの分担金が主な収入源となっている。前ねぶたは、お米大使、航空機5台(ANA、JAL、FDA、EVA、KAL)、青い森鉄道の前ねぶたが出陣する。
文責:吉田 翔太
写真:2024年 県庁ねぶた実行委員会『木鹿大王 妖術を使う』 制作者:大白我鴻