【2024年のみどころ】
昨年までの制作者、有賀義弘氏が引退し、今年から小財龍玄さんが担当する。ねぶた師、内山龍星氏に従事していため「龍」の字をもらい、北(東北)の守護神として「玄武」から「玄」の文字をとり、雅号を「龍玄」としている。初陣となる今年の大型ねぶたのテーマは『北方守護玄天上帝』である。このねぶたは、世界各国で起きている戦争や紛争、毎年のように起きる大規模な地震や自然災害、そしてそれらに備えあらゆる事態に即応しその存在感を示さんと奮闘する第9師団の姿と、今まさにあらゆる厄災を抑え込み北東北を守護せんと身構える玄天上帝の姿を重ね合わせ、後世に残さなければならないこの国の平和と文化繁栄、そして世界平和への切なる願いを込めたものである。今年の、自衛隊の全体の目標は「制作を間に合わせ、運行を成功させること」である。新人ねぶた師、小財龍玄さんが手がける、インパクト・存在感のある“玄武”に注目である。
【歴史】
青森自衛隊ねぶた協賛会は、陸上自衛隊青森駐屯地に所在する部隊を基幹として、昭和35年から青森ねぶた祭に参加し、平成29年度の出陣で55回目の参加を迎えた。青森陸上自衛隊の正しい姿を地域の方に理解してもらうため、「地域の皆様との親近感の醸成と、郷土と共にある自衛隊の確立を目指すこと」を目的に出陣をした。自衛隊として青森駐屯地からねぶたを出陣した当初は、ねぶた師の佐藤伝蔵氏、千葉作龍氏、鹿内一生氏等に制作を依頼していたが、ねぶた祭りへ継続的に参加するには毎年高額の経費がかかるため、昭和43年頃から自衛官中心でねぶたを制作することとした。当初は、ねぶた師の佐藤伝蔵氏に師事をいただき3名が見習いとして参加し、昭和52年から師事を受けた3名の自衛官が中心となってねぶたを制作してきた。その後、中心となって20年近く制作を続けていた有賀氏は令和5年に引退した。歴史的に自衛隊の出陣は地元意識に根付いたものである。青森駐屯地の隊員は地元出身者が多く、自分たちの力で地元を守るという意識が非常に強い。自衛官として、また、青森市民として活動し地元を守っているのである。
【運行】
跳人は自衛隊独自の統制踊りを行っており、整った、まとまりのあるという特徴がある。
囃子は、50~60人ほどで、年間を通じて練習を行っている。本格的には6月から始まり、祭り当日まで磨きをかける。また新人も多く、若手の育成も行われている。曳き手は自衛隊のみで構成されている。出陣日は2、3、4、5、6日となっている。
【協賛】
協賛は津軽海峡フェリー、岡村食品、コカ・コーラ、みずほ銀行である。前ねぶたはコカ・コーラと今年からみずほ銀行が新たに出陣する。
文責:鳥山凌空
写真:2024年 自衛隊ねぶた協賛会 『北方守護玄天上帝』 制作者:小財龍玄