【2024年の見どころ】
今年の大型ねぶたの題材は竹浪比呂央氏の『足柄の公時頼光に随う』である。頼光四天王の一人、18歳頃の坂田公時を題材にした力強いねぶたが登場する。幼い頃から類まれなる力と勇気を持つ公時が、頼光に見出され家臣として随う様子が表現されている。本体には金時の父である赤竜が登場し、送りには母である山姥が登場している。また、送りには小田原市の足柄山から見える富士山と日本画から3D化されたような松が施されている。赤色の雲が見えるところは縁起が良いとされているので、送りに注目すると運気が上がるかもしれない。今年のねぶたは、感染症による困難を乗り越え、活気に満ちた世の中となるよう希望が込められています。公時の力強さは、困難に立ち向かう人々へのエールとなるでしょう。
【歴史】
昭和 39 年に「国鉄」として初陣、平成元年からは「JR ねぶた実行委員会」に名称を変更し平成 21年から現在の「JR ねぶた実行プロジェクト」に名称が変更された。平成16年以降の制作は竹浪比呂央氏が担当している。以降は新青森駅開業や北海道新幹線開業など新幹線の推移や“安全”・“速さ”にちなんだ題材が特徴だ。平成28年には、「蝦夷ヶ島と九郎義経」がねぶた大賞に輝いた。
【運行団体】
JRねぶた実行プロジェクトの今年の出陣日は、3、4、5、6、7日の5日間である。囃子は「JRねぶた囃子会」が行う。正調囃子で進行ところばしに特徴がある。メンバーは社員と一般の方で、会員数は170人ほどで構成されている。練習場所は、昔の第三岸(八甲田丸の海手側)となっており、7月に入ると日曜日以外の週6で練習している。跳人については、グループ会社での募集が各日120名、一般の跳人を合わせると1日で約300名が参加している。蒸気機関車の動輪をイメージしたデザインの跳人衣装が特徴である。また、JRねぶた実行プロジェクトはSDGsにも取り組んでおり、七夕シーズンになると青森駅構内に笹を用意し、ねぶたの和紙を再利用した短冊を設置している。駅を利用した際には、旅とねぶたに対する強い想いを綴ってみてはいかがだろうか。
【協賛・前ねぶた】
協賛はJRグループ会社、伊藤園。前ねぶたは、JRロゴ台車と、伊藤園の「お〜ぃお茶」、「ハイキュー」(バレーボール漫画・アニメ)の合計3つとなっている。
文責:中野 ありす
写真:2024年 JRねぶた実行プロジェクト『足柄の公時 頼光に随う』 制作者:竹浪比呂央